【宅建業法改正による「電子契約の活用について」】
記事作成日 2022.6.21
既にご存じの方も多いかもしれませんが、「デジタル社会」の形成目的を図るため、宅地建物取引業法施行令等及び宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方の一部が改正され、2022年5月18日より賃貸借契約書・重要事項説明書が「宅地建物取引士の押印不要」「電磁的方法による交付が可能」となりました。
宅建業者が売主(代理)、売買・賃貸の仲介をする場合は宅建業法の適用があり、宅地建物取引士が記名押印した重要事項説明書・賃貸借契約書を対象者に書面で交付しなければなりません。
この理由により不動産取引に関する契約の電子化が進んでいませんでしたが、今回の改正で宅地建物取引士の押印と書面交付条件がなくなり、不動産取引に関する電子契約が可能となりました。
不動産取引の契約を電子化するメリットはたくさんあります。
・スピード、業務効率化(郵送不要、直接対面不要)
・紙の保管が不要(紛失リスクなし)
・コンプライアンス強化(作成日時、作成者のログが残ります)
・印紙税の削減(売買の場合)
など
データでは証拠能力が弱いのでは?という心配はありません。
「押印のある契約書」と「タイムスタンプにより電子署名された電子文書」は、同等の法的有効力であるとされています。
唯一のリスクは「データの漏洩」です。
これについては厳重なセキュリティー対策が求められることになります。
閉鎖的と言われた不動産業界にもついにDXの波がやってきました。
公衆電話と同じように、「印鑑」も過去の遺物となるかもしれませんね。